センセンチ20周年

市内のギャラリー「sensenci(センセンチ)」が、20周年を迎えた。

静岡大学の美術科出身の人間は、結構いろいろな形でお世話になっている。

僕もそのようなところの出身なのだが、在学中はあまり真面目とは言えなかったので、ご縁が出来たのは、実は卒業してしばらく経ってからであった。


妻も、そこで彫刻の個展を企画したり、今は、家族ぐるみでお付き合いさせていただいている。


そしてオーナーのアキラさんは、なぜか踊っているのだ。

なぜか…、というところがミソなのだが、知っている人にしか面白くないので、詳しい事はここでは省く。とても個性的で面白い方だ。

僕が静岡のコミュニティ・ダンスの活動「ダンス王国」にかかわるようになって、よりお付き合いが深くなった。


今回、20周年記念の「たまご展」という企画の中で、ライブをさせていただいた。

梅雨入り直前の、明るい小雨が降る中、最後にダンスチーム「中庭」という名前で、文字通り中庭で、オーナーのアキラさんと数名による、ダンスパフォーマンスが行われた。

その合わせる曲として、唱歌「椰子の実」を、僕は頼まれて演奏した。

とてもいい曲だ。

(静岡市清水区で12時の合図に街頭スピーカーから流れるやつである。局地的な話でゴメンナサイ。)

センセンチから巣立っていった作家たちが、また違う土地に流れ着いて、そこで芽を出している。そんな雰囲気を表現したい、とのことであった。

その実を拾った者は、異国からきたアーティストにある憂いを持って接するわけだが、案外、本人は飄々と流れていたりもするのだ。


僕も頑張っていいミュージシャンになりたいです。

アキラさん、奥さんのケイコさん。いつもありがとう!



「椰子の実」
 
名も知らぬ 遠き島より
流れ寄る 椰子の実一つ
 
故郷の岸を 離れて
汝(なれ)はそも 波に幾月


旧(もと)の木は 生いや茂れる
枝はなお 影をやなせる
 
われもまた 渚を枕
孤身(ひとりみ)の 浮寝の旅ぞ


実をとりて 胸にあつれば
新なり 流離の憂い

海の日の 沈むを見れば
激(たぎ)り落つ 異郷の涙


思いやる 八重の汐々
いずれの日にか 国に帰らん

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