梅雨明け
このところ涼しい。 今日は少しまた暑くなった。 すれ違った子どもが、捕まえたセミを虫かごにたくさん入れていた。 1人の子が「逃がす?」と聞くと、もう1人の子が「逃がさない!」と言った。 どうするつもりなのだろう。 僕たちは子どもの頃どうしていたっけ。 僕は最近小さな生き物がかわいくて仕方ないので、何となくかわいそうである。 人間は、子どもの頃に残酷なことをしておいた方が、大人になってからまともになるらしい。 小学校のころ、友達の家に遊びに行くと、その友達が、近所の野原でバッタを大量に捕まえて、一匹一匹脚をむしっては、水の中に入れて「バッタ佃煮を作る」と言っていた。 僕は、そんなかわいそうなことをする奴は友達じゃない!と言って怒ったのを覚えている。 友達と駄菓子屋に入った時、「かっぱらい」やろうぜ、と言って、何人かの友達がガムや飴をおばちゃんにばれないようにくすねていた。 食べる?と勧められたが、僕は食べなかった。 今、その子たちとはもう付き合いがないので、一体どんな風な大人になっているかは分からずじまいである。 自分は、まともな大人になったか、と問われると、さあどうでしょう?としか言えないのであった。