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11月, 2017の投稿を表示しています

よみがえる昭和の唱歌コンサート

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  先週末、浅間神社で行われた「よみがえる昭和の唱歌コンサート」に、ボーカル・加瀬澤彩友美さんと、静岡県郷土唱歌の歌い手として出演させていただきました。 ご来場くださったお客様、浅間通り商店街のスタッフの皆様。 ありがとうございました! ライブの間に、静岡県立大学の名誉教授で、静岡県郷土唱歌を研究されている高木桂蔵先生の講演をはさみ、かなり濃厚な時間でした。 先生は、レコーダーを持って静岡の山間部などに赴き、童歌や民謡などを収集していらっしゃるそうで、「時間との闘いなんです。」と仰っていた。 まさにその通りだと思う。 高齢の方がだんだんこの世を去るとともに、貴重な歌は失われていってしまう。 僕たちが世代の違う文化に興味を持ち、地域に根ざした生活をしない限り、残念ながらそれらは消えていく定めなのかもしれない。 それぞれが、思い出深い好きな歌とともに人生を歩んでいって、時代に合わなくなれば歌は自然に忘れられてゆく。それはそれで当然のことだろう。 ところが最近、歌が失われていくことは、時代に合わないものが淘汰されているからではなく、「自然破壊」に近いもののように思えてならない。 共同意識を確かめるために合唱したり、歌を作ったりすることは、今では少なくなった。 どちらかというと、情景や物事よりも心を扱った個人的な歌が多くなったと思う。 もちろん昔から心は歌われているが、それは「広い景色の中にいる、私の心」であり、今はそれが「私の心のためにある景色」に変わりつつあるように感じる。 その心が、歌の中の紅葉照り映える丘や、カエルたちの鳴き声や、故郷の山川をすみに追いやって、都合のいい形に捻じ曲げつつあるとしたら。 きっと本当の森林破壊のように、人の心に実害を及ぼしてくるのでは…、と考えてしまうのである。 「時間との闘いなんです。」という先生の言葉は、更に重く感じられるのであった。 なんて、ツタナイ自説を繰り広げてしまったが、大切に、昔の歌、地域の歌を出来る限り知って守っていきたいと思うのでありました。 全然関係ないけど、この写真、なんか妙に合成っぽくない?

おとぎ話~スノド~ドロフィーズ

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忙しいけど楽しかった3日間。 NolenNiu-de-Ossi&丸山研二郎「おとぎ話の夜」と、そして、Lica Cecato JAPAN Tour in Shizuoka × Mika da Silvaに、ドロフィーズ・インテリアに来てくださった皆様、ありがとうございました。 デオッシとは4ヶ月ぶりの共演でした。 いつもながら楽しみなのは、デオッシ・サウンドはたった数ヶ月会わないだけでも「必ず」進化していること。 今回も、ユニークでしみじみと噛み締められる新曲を聴くことが出来た。自分のステージも含めて、お互いの関わり方、役割、楽しみ方もどんどんいい形になってきているような気がしました。 そんなデオッシとは2月にレコーディングを一緒にすることが決定!またその詳細は追って報告します。お楽しみに! 翌日はスノドカフェにて、ブラジル人シンガー「リカ・セカート」さん、評論家でもありパーカショニストでもある「ケペル木村」さん、静岡のミカ・ダ・シルヴァさん、ホベルト・カサノヴァさんご夫婦と共演させて頂きました。 リカさん(日本用の名詞に里香・チェカートって書いてあった笑)や皆さんの人柄が超オープンで、もう今日は純粋に楽しく、そして心熱くなったライブでした。 僕たちって(ミュージシャンであっても)どこか音楽は生活の脇に置いて、余暇でやっている場合が多いけど、リカ・セカートさんの歌は、喜怒哀楽が常に生活の中心として音楽に溶け込んでいる気がした。 だからこそ言葉はわからなくても、喜びや憂いが音に乗って心に迫って来るんだな。 誘ってくれたミカさん、ホベルトさん、素晴らしい演奏をありがとう。 仕事や行事の中にいても、家族と寛いでいても、いつでも音楽とともにある。 それが一番人間らしいと思う。 そんなシンプルなことに改めて気がついた2日間でした。 さらに翌日、浜松は都田にあるドロフィーズインテリアの宿泊施設「白のminka」にて、丸山研二郎+てづかあい+原口朋丈のトリオで、フリーライブをさせていただきました。 北欧デザインを中心とした異国情緒たっぷりのスペース。 カフェや雑貨店も敷地内にあり、ゆっくり半日過ごせるおすすめスポットです。

秋の夜長コンサート

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去る10月29日でわたくしも35歳になりました。 たくさんの方に支えられながら生活しているんだなと、特に子どもが生まれてからは、何かにつけ実感します。 そんな誕生日に、自分の実家でもある浜松・正晨寺での「ミニ法話と音楽の夕べ・秋の夜長コンサート」が偶然重なり、昨年に引き続き、ジャズシンガー鈴木麻美さんとのデュオで演奏しました。 またも台風に阻まれそうになりましたが、足元が悪い中、たくさんの方にご来場頂きました。ありがとうございました。 ちょうど演奏が終わる頃には、晴れ間がのぞき星も見えるというご褒美つき。 ミニ法話は、地獄と極楽の違いについてのお話でした。 ある男が地獄・極楽を見られるという旅行に参加すると、どちらの場所も似たようなところであった。 どちらも食卓にはごちそうが並べられていて、食べる際には同じルールがある。 1メートルもあろうかという長い箸で食事をすること。 地獄の亡者たちは長い箸で食べようとするが、長く持てば口には運べず、短く持てば端が隣の人にぶつかり、たちまち大喧嘩がおこり食卓はめちゃくちゃに。結局食事はほとんど食べられないのであった。 ところが極楽の住人は、長い箸では自分の口には運べないことを知っているので、お互いに向かい合って、食事を交互に食べさせあっている。そのためお互いに感謝の気持ちが芽生え、いつも平穏に、ひもじい思いもしないのであった。 というお話。 もちろんこれは例え話で、実際にそんな世界があるわけじゃないけど、「長い箸を使って食事をする」という例えは意外といろんな僕達の活動に当てはまるような気がする。 一人の力では成し遂げられないことばかりであり、我を張って自分だけが得をしようとすれば、そのとばっちりが別の人に当たり争いの種になる。 自分の身の丈をよく知って、助け合っていくべきなのだ。 なんて、口でいうほど簡単じゃないが。 家族も増え、我を張ってもボロが出て大したことなかったと、妙に考えさせられるこの数年。いつも支えてくれる妻に感謝である。