よみがえる昭和の唱歌コンサート
ご来場くださったお客様、浅間通り商店街のスタッフの皆様。
ありがとうございました!
ライブの間に、静岡県立大学の名誉教授で、静岡県郷土唱歌を研究されている高木桂蔵先生の講演をはさみ、かなり濃厚な時間でした。
先生は、レコーダーを持って静岡の山間部などに赴き、童歌や民謡などを収集していらっしゃるそうで、「時間との闘いなんです。」と仰っていた。
まさにその通りだと思う。
高齢の方がだんだんこの世を去るとともに、貴重な歌は失われていってしまう。
僕たちが世代の違う文化に興味を持ち、地域に根ざした生活をしない限り、残念ながらそれらは消えていく定めなのかもしれない。
それぞれが、思い出深い好きな歌とともに人生を歩んでいって、時代に合わなくなれば歌は自然に忘れられてゆく。それはそれで当然のことだろう。
ところが最近、歌が失われていくことは、時代に合わないものが淘汰されているからではなく、「自然破壊」に近いもののように思えてならない。
共同意識を確かめるために合唱したり、歌を作ったりすることは、今では少なくなった。
どちらかというと、情景や物事よりも心を扱った個人的な歌が多くなったと思う。
もちろん昔から心は歌われているが、それは「広い景色の中にいる、私の心」であり、今はそれが「私の心のためにある景色」に変わりつつあるように感じる。
その心が、歌の中の紅葉照り映える丘や、カエルたちの鳴き声や、故郷の山川をすみに追いやって、都合のいい形に捻じ曲げつつあるとしたら。
きっと本当の森林破壊のように、人の心に実害を及ぼしてくるのでは…、と考えてしまうのである。
「時間との闘いなんです。」という先生の言葉は、更に重く感じられるのであった。
なんて、ツタナイ自説を繰り広げてしまったが、大切に、昔の歌、地域の歌を出来る限り知って守っていきたいと思うのでありました。
全然関係ないけど、この写真、なんか妙に合成っぽくない?
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